2026年07月28日
CRE戦略とは?オフィス移転・資産売却だけではない
企業を支える不動産活用と価値向上
CRE(企業不動産)の活用は、オフィス移転や資産売却にとどまらず、企業価値向上や人的資本への投資とも深く結びつく時代になっています。一方で、こうした不動産実務は専門性が高く、人事総務担当者様が本業のかたわらで担うには大きな負担となりがちです。スターツコーポレートサービス株式会社(以下、SCS)は、社宅代行などの福利厚生支援からCREの活用戦略までをワンストップで支援しています。今回は、法人事業部執行役員の櫻井と不動産営業部の木下に、CRE戦略を通じた企業価値向上の取り組みについて聞きました。
目次
CRE実務の負担を減らし、人事総務が本業に向き合える環境をつくる
SCSの役割は、大きく分けて「企業不動産の活用」と、社宅代行などを通じて企業の業務を支える「運用支援」の二つの側面を併せ持っています。その根底にあるのは、担当者様を煩雑な実務から解放したいという強い思いです。SCSでは、単なる業務代行にとどまらず、企業不動産の価値向上や、企業不動産を通じた経営課題の解決まで見据えた提案を行っています。櫻井は次のように話します。
櫻井──「従業員の住む場所や働く場所をよりよい環境に整え、いかに生き生きと過ごしていただくか。私たちはそこを専門領域としています 。昨今、企業様はアクティビスト(物言う株主)から不動産の効率化を迫られたり、保有資産の売却リスクにさらされたりと、財務的な対応を余儀なくされる場面が増えています。そうした財務的観点と、現場の福利厚生という側面において、その双方をカバーしたご提案をできるのが私たちの強みです」
CRE戦略の考え方は、「資産活用」から「企業価値向上」へと広がっている
かつての企業不動産(CRE)戦略といえば、資産を貸し出して収益を得る「不動産賃貸」の発想で語られていました。しかし現在は、不動産をいかに従業員への投資に結びつけるかへとシフトしています。
櫻井──「現在のCRE戦略の中心は、不動産を通じてどのような空間を作り、従業員に還元するかが重要になっています。働く人々が輝くことで本業が活性化し、結果として投資家への還元にもつながる。目指すべきはこの好循環であり、CREはもはや財務上の数字ではなく、ブランド価値やモチベーションの象徴としての役割を担っています」
こうした「目に見えない価値」を形にする象徴的な事例が、オフィス移転です。一般的に移転プロジェクトが始まると、多くの従業員は、環境変化へのストレスや書類整理といった手間から後ろ向きになりがちです。そこをいかに「自社をアップデートする前向きなプロジェクト」に変えていくかが、SCSの腕の見せ所です。
櫻井──「移転を成功させるコツは、従業員自身が最適な環境を選択すること。流行りの家具をそのまま入れるのではなく、同業他社の事例を交えながら『自社の働き方には何が合うか』をともに考える。プロセスを共有することで、新しいオフィスに愛着が芽生え、結果として移転後の満足度や生産性の向上につながるのです」
多層的な意思決定を支える。CRE特有の難しさにどう向き合うか
CREの取引には、個人向けとは異なる複雑さが伴います。特に「意思決定に関わる関係者の多さ」は、プロジェクトの成否を左右する最大の障壁となります。
木下──「一つの意思決定に、担当者から役員、ときには社外取締役まで10層近い承認プロセスを要するケースもあります。私たちは担当者と密に連携し、社内のキーマンは誰か、どのようなロジックであれば納得いただけるかをリサーチし、戦略を練ります。ただ物件を動かすのではなく、担当者様とタッグを組み、社内合意を得るための『納得感のある提案』を一緒に作り上げていくのが私たちのスタイルです」
櫻井 (写真左)/木下 (写真右)
オフィス移転の背景には、たとえば人事部門の「採用力強化のために一等地に拠点を構えたい」という要望と、経営陣の「コストを最適化したい」という本音など様々なセクションのニーズが複雑に絡み合っています。
櫻井──「人事総務、そして経営陣の間には、立場の違いから考え方のずれが生じやすいものです。私たちは第三者として、思い込みや部分最適に偏らず、データをもとに全体を見渡した判断材料を示します。フラットな立ち位置からアシストすることで、社内の意思決定をスムーズにし、企業全体にとっての最適解へと導くパートナーでありたいと考えています。」
さらに、CRE取引は市場や株主への影響も無視できません。
櫻井──「企業にとって大切なのは、『1円でも高く売る』ことだけではありません。投資家に公表した業績予想に狂いが生じないよう、売却や活用の見通しを見据えた確実性の高い取引を完遂することも極めて重要です。関係者への影響を最小限に抑えつつ、企業の業績にポジティブなインパクトを与える。その精緻な着地点を探るのが、プロとしての誇りです」
独立系の中立性とグループの総合力で、企業不動産の課題を解決する
SCSの強みを支えているのは、特定の立場に偏らない中立性と、スターツグループの総合力です。また不動産業界ではめずらしく、歩合制ではなく固定給制を採用しています。この仕組みこそが、提案の質に決定的な違いを生んでいます。
木下──「歩合制ではないからこそ、営業マンが無理に売買を迫る理由がなく、お客様の利益に誠実に向き合えます。たとえ自部門の利益に直結しなくとも、お客様に他の選択肢がベストであれば、迷わずそれを提案する。全体を俯瞰し、中立的な判断材料を提供できるフラットな姿勢こそが、当社の魅力です」
木下──「また特定の金融機関や系列に縛られない独立系だからこそ、8,000社に及ぶ法人ネットワークの中から、最適な候補先を完全に中立な立場で選定できます。これが売主様・買主様双方にとって、透明性の極めて高い取引を実現できる理由です」
競合他社が売買仲介の「成約」を第一に追求しがちな中、SCSの提案は不動産売却という枠組みにとどまりません。地価が上昇し、不動産を売却しやすい環境にあっても、売却が必ずしも最適な選択とは限りません。企業が重視する経営課題は、「持たざる経営」から「人的資本の充実」まで変化するため、その時々の課題に応じて、不動産の持ち方や活用方法を見直す必要があります。
木下──「私たちは『総合生活文化企業』を掲げるスターツグループの一員として、売却以外の選択肢も幅広く提示します。例えば、今は売却せずに駐車場などとして一時的に運用する、あるいはスターツCAM株式会社(建設・土地活用)と連携して建物の改修や土地活用を検討するといった提案です。スターツコーポレートサービスが法人のお客様の窓口となり、案件に応じてグループ各社の機能を組み合わせることで、多角的な提案が可能です。多種多様なニーズをグループ内で完結できるワンストップ体制は、他社には真似できない強みだと自負しています」
今後の展望として、住宅分野で培った強みを、オフィスや工場といった本業用不動産(CRE)の分野へとさらに拡大させていきます。
櫻井──「これまでは住宅が中心でしたが、今後はオフィスビルや生産拠点といった、企業の根幹を支える不動産戦略にも注力していきます。広範な分野で『不動産の悩みならスターツが解決してくれる』という認知を広げていきたい。取引価格の多寡のみにとらわれず、そのプロセスを経て従業員や株主様がどれだけ満足したか。その付加価値を追求し続けるチームでありたいですね」
>>記事後半へ「企業不動産の課題をどう解決する? スターツコーポレートサービスが伴走した3つのCRE事例」