レポート
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2025<後半戦>
今年のホクレン・ディスタンスチャレンジ大会は、日本選手権が7月初旬に開催された関係で、6月と7月の2期に分かれて実施されました。後期の3大会にはスターツ陸上競技部から6名が出場しました。
<監督寸評>
6月のホクレン前期(⇒ホクレン前期のレポートはこちら)は少数精鋭で臨み、7月の後期は、出場可能な選手が挑戦できる機会にしたいと思い、そのように出場プランを考えました。このホクレン後期が、上半期の締めくくりになるので、少しでも多くの選手が自己記録を塗り替えたいと思っていたと思います。
我がチームがそう考えたように、他のチームも同様な考えになるので、ホクレン後期戦は、出場するハードルが上がっていました(=出場枠の関係で)。そんな限られたチャンスをものにできるよう、選手たちは集中してレースに臨んでいたと思います。
ホクレン後期は全3戦。7/12 千歳大会、7/16 北見大会、7/19 網走大会です。スターツとしては、千歳を調整レースとして、北見大会と網走大会を勝負レースと位置付けていました。暑い時期でもあったので、涼しい北海道で転戦しながら、調子を上げていき、最後の2大会のどちらかで記録を狙うプランでした。
しかし、残念なことに、勝負レースとしていた、北見大会と網走大会が、高温多湿の気象条件になってしまったのです。記録を狙うというよりも、レースの流れに乗って、順位に拘って走ることと目標を変更せざるを得ませんでした。
伊澤は、3戦とも出場し、全てのレースで日本人トップでした。とくに、最終戦となった網走3000mでは、千歳大会で更新した自己記録を更に10秒近くも短縮する素晴らしい走りをしました。ホクレン前期(2戦)→日本選手権→ホクレン後期(3戦)で、計6レースに出場しながら、安定してハイパフォーマンスを発揮したのは、地力が養成されていることを意味すると思います。
世界陸上の日本代表を目指して、最後まで諦めずにチャレンジした結果です。残念ながら、日本代表は獲得できませんでしたが、6戦中の3戦で自己記録を更新し、全てのレースで日本人トップですから、成長の真っ盛りと言ってよいと思います。秋以降の目標を明確にし、さらなる飛躍を目指していける状態だと思います。
その他、北見大会5000mで僅かに自己記録に及ばなかった三輪、網走5000mで組の上位で走った西川と赤堀らは、練習の成果を出すことができたと思います。気象条件が整えば、というところなので、秋の飛躍が楽しみになってきました。
【7月12日】 第3戦 千歳大会
■女子3000m
伊澤 菜々花 9分05秒36 A組3着 ☆自己新(16年ぶり)
三輪 南菜子 9分44秒57 B組14着
■女子5000mB
西川 真由 16分17秒96 B組15着
ワングイ エスター ワンブイ ペースメーカー出場(4800mまで)
<伊澤選手コメント>
「千歳大会3000mは、次の北見大会5000mに繋げる走りをすることを目標にしました。高校3年時に記録した9′08″44の自己記録を16年ぶりに更新(9′05″36)できたことはよかったのですが、目標は9分切りに設定していたので、満足感よりは物足りないという気持ちが大きいです。
しかし、1週間前の日本選手権で一度ピークを作っていたことを考えると、その中でもしっかりと集中して走れたこと、いい走りの感覚で終われたことは、次の北見大会に弾みをつけられた気がします。次のレースでは、自己新記録を目指して納得のいく結果を出したいと思います。」
<三輪選手コメント>
「今回は4日後の5000mレースに向けての刺激でしたがベストを狙って臨みました。結果は最低限よりもタイムがかかってしまいとても情けなく悔しかったです。
課題としては、スタート後の位置どりで引いてしまったこと、気持ちが焦ってしまったこと、そしてフォームが崩れてしまったこと、不安な気持ちで迎えてしまったからだと思います。5000mではベストを更新できるよう、気持ちを切り替えて、レースプランを沢山想定してどんな状況になっても焦らず走れるよう対策をとっていきます。」
【7月16日】 第4戦 北見大会
■女子3000m
對馬 千紘 9分34秒31 A組20着
赤堀 かりん 9分44秒46 A組24着
■女子5000m
ワングイ エスター ワンブイ 15分29秒45 3位
伊澤 菜々花 15分34秒96 4位(日本人トップ)
三輪 南菜子 16分10秒28 14位

<赤堀選手コメント>
「今回は、自己ベスト更新を目標にレースに挑みました。Aグループで走れる良い機会だったので、挑戦しようとスタートラインに立ちました。前半攻めて走れたことは今回の収穫でしたが、後半は体力の無さで失速してしまい自分の実力不足を痛感しました。
調子は悪くないので、2日後の網走大会では、攻めつつも後半まで持つペース配分で臨み、今回の反省を活かしてリベンジします!次こそは自己ベストを更新し、強くなった姿を結果で証明できるよう頑張ります!」
<ワンブイ選手コメント>
「Good evening everyone.For me the race in Kitami was good ,but the weather was very hot but I do my best.For abashiri my goals is to run my best in 3000m that is my goals.」
(皆さん、こんばんは。 北見でのレースは良かったです。天気はとても暑かったですが、ベストを尽くしました。 網走では、3000mでベストを尽くすことが目標です)
<伊澤選手コメント>
「北見大会5000mでは、大幅な自己ベスト更新を目標に走りましたが、目標には程遠い結果となってしまいました。
湿度が高いという厳しい条件でのレースであったため、呼吸が入りづらく、後半我慢することができず、ペースを落としてしまいました。今回のレースを経験して、自分自身の最低ラインをもっと引き上げなければならないと感じました。どれだけ厳しい条件下であったとしても、しっかりと結果を残せる強い選手になりたいと思いました。次の網走大会3000mで、レースが一区切りとなるのでしっかりと自己ベストを出し、少しでも理想とする自分に近づきたいと思います。」
<三輪選手のコメント>
「今回のレースは、4日前のレースでとても悔しい思いをしたので絶対にベストを出すという強い気持ちで臨みました。不安をコントロールしつつ、フォームを崩さずリラックスしてスタートできたと思います。途中までは良いペースにのれていたのですが、後半失速してしまいベストには届かずとても悔しかったです。
入社してから、ホクレンで5000mのベストを出すことを目標に取り組んできたのでとても悔しかったですが、この悔しさを秋の駅伝やトラックに繋げていき、より強くなれるよう努力していきます。」
【7月19日】 第5戦 網走大会
■女子3000m
伊澤 菜々花 8分56秒33 2位(日本人トップ)☆自己新&スターツ記録
ワングイ エスター ワンブイ 9分07秒67 5位
■女子5000m
西川 真由 16分12秒56 B組7着
赤堀 かりん 16分28秒10 C組8着
■女子10000m
對馬 千紘 34分55秒93 26位
<伊澤選手コメント>
「レースが続いていたので少し疲れは感じていましたが、網走大会3000mは集中してレースに臨むことができました。その結果、自己ベスト更新・自己初の8分台・日本人トップ・スターツ記録更新という納得のいくレースをすることができました。ラスト勝負で外国人選手に負けてしまったことは、今後の課題としていこうと思います。
ホクレンDCの5戦全てに参加し、怪我なく走れたことは自信になり、今後マラソンにチャレンジするにあたって必ずこの経験が活かされると思っています。これで、レースは一区切りとなります。ここからの夏合宿を充実したものにし、秋にはもう一段階上のレベルでの走りを皆様にお届けできるよう努力します。」
<赤堀選手コメント>
「入社後初の5000mでした。北見大会3000mの反省を生かし、流れに乗ってどこまで粘って挑戦できるかを試したいと思って臨みました。目標の自己ベスト更新には届きませんでしたが、最後まで粘り、今持っている力を出し切る走りはできました。
高温多湿の厳しい条件下でしたが、目標に届かなかった事は自分の実力不足です。現状を受け止めてこの夏走り込み、駅伝では成長した姿を結果で証明できるよう今後も頑張ります!」
<西川選手コメント>
「初戦の千歳5000mでは、タイムを出しに前半から行くという思いでスタートしましたが、思いが先走ってしまい、後半に課題が残る内容となりました。
1週間後の網走5000mでは、初戦の反省を生かし、前半落ち着いて後半でしっかり粘ることに重点をおくレースにしたいと思ってスタートしました。内容としては自己ベストには至らなかったものの、1戦目からの修正ができていたところがよかったと思います。
ケガ明け初めての5000mでとても緊張していた中でしたが、今の自分の位置と課題が見つかり夏の合宿でやりたいことがたくさん見つかるレースとなりました。ケガに気をつけて練習を積み、秋の駅伝に向けて勢いをつけていきたいです。」
<對馬選手コメント>
「北見大会で3000m、網走大会で初の10000mに挑戦しました。ホクレン前の合宿でアクシデントがあり、限られた2週間の中でできる限りの準備をして臨みました。3000mでは10000mに向けた刺激として目的通りの走りができましたが、10000mは厳しい気象条件の中、ゴールするのが精一杯でした。正直、スタート前は不安と恐怖でいっぱいでしたが、この経験を通して、質の高い練習を継続することの大切さを改めて実感しました。
上半期は納得できる結果が出せず、悔しさと申し訳なさが残っています。夏の強化期間では自分の弱さに真剣に向き合い、課題を克服していきたいです。」