レポート
第109回日本陸上競技選手権大会 伊澤6位入賞・赤堀11位に
第109回日本陸上競技選手権大会は、7月4日~6日に国立競技場で開催され、スターツ陸上競技部から2名の選手が出場。女子5000mに伊澤菜々花が、女子3000m障害には赤堀かりんが今年の日本一を決めるレースに挑みました。
監督寸評に選手コメントを交えてご報告いたします。

【7月4日 女子5000m決勝】
伊澤菜々花 6位 15分24秒76
伊澤は、5月から5000mに照準を定め、順調に記録を向上させてきたことから、東京世界陸上の日本代表に望みを繋ぐような成績を目指して準備してきました。
目標は3位以内、記録的には当日の暑さを考慮して15分10秒前後に置いていました。
日本陸連がペースメーカーを用意し、設定された記録は15分15秒だったことから、廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ)と田中希実選手(New Balance)がスタートして500mで集団から飛び出してペースを上げる展開に。伊澤はすぐさま反応し、2人に付く積極的な走りをしましたが、2000mからペースを落とし始め、後ろの集団に追い付かれてしまったものの粘りの走りを見せて、6位入賞を果たしました。
伊澤は、現役復帰して1年余りで、日本選手権3位以内を目指すまでパフォーマンスを上げてきました。目標には届きませんでしたが、挑戦しない限り手にできないものに対して覚悟をもって行動した伊澤の走りは、多くの人を勇気づけたと思います。
<伊澤選手コメント>
「まず初めに、本当にたくさんの応援ありがとうございました。私の応援しかないのではないかと思うほどの声援で、こんなに応援していただけて改めて私は幸せ者だと感じました。
このレースは世界選手権を目指す上で、優勝しなければならないものでした。優勝するための練習をしてきて、順調に調子も上がっていました。今回のレースはペースメーカーのいるレースでしたが、そのペースより速くいく選手がいたら付いていくことは心に決めていました。
結果としては悔しさの残る6位となってしまいましたが、思い切って集団から抜け出したこと、ハイペースでのレースを経験できたことは今後の自分に必ず活かされると信じています。
この後もレースが続きます。現状に満足せず、もっと強くなります。今後ともたくさんの応援、よろしくお願いします。ありがとうございました。」
【7月6日 女子3000m障害決勝】
赤堀 かりん 11位 10分27秒75
酷暑条件となった最終日、赤堀は8位入賞を目指して出場しました。
練習からは、目標達成の手応えは掴んでいたが、2000m過ぎからペースを落とし始め、入賞圏外に落ちてしまいました。それでも最後まで諦めずに粘りの走りを見せました。
赤堀は、春先に怪我が重なり、練習を順調に積み始めて2ヶ月程度しか経っていない状況でしたが、高い集中力で調子を上げてきました。
入賞の期待は高まっていましたが、持久力の不足とハードル技術の低下がレースでは顕著に出た結果だったと思います。これら課題をクリアしつつ、次の目標に向けて、練習を重ねていきます。
<赤堀選手コメント>
「たくさんの応援を本当にありがとうございました。
日本選手権を前期の最大目標に置き、ここまで練習に励んできました。自己ベストそして入賞を目指して走りましたが、どちらも達成することができず、悔しい結果となってしまいました。この経験を次に必ず生かし、来年はまたこの場に立って、リベンジ出来るよう頑張ります。
後期は、駅伝があります。そこに向けてチームに貢献できるよう引き続き頑張っていきます。これからも応援よろしくお願いします。 」
両日とも、スターツグループの多くの社員が応援に駆け付けてくれました。とくに、女子5000mの場面では、観客席から声援を送る社員と陸上部部員、その声援に応えるかのように挑戦する伊澤、その一体感は、熱いドラマになったと感じます。
昨年は、スターツ陸上競技部から日本選手権に出場できる選手が一人もいませんでしたが、今年は二人に増えました。出場できなかった選手たちも日本選手権で戦うチームメイトを応援し、トップ選手の競技を観戦し、大いに刺激を受けたと思います。チームの意識が高まる機会になったことは間違いありません。さらに活気を増した状態で、トレーニングに励んでいきたいと思います。応援ありがとうございました。