2025年3月31日

高知の魅力をかるたで発信!
地方創生の取り組み

地域活性
高知の魅力をカルタで発信!スターツ出版の地方創生の取り組み

地域情報誌『アエルデ』、雑誌『オズマガジン』、予約サービスと連動した「OZmall」、さらにはコミックや小説なども発行しているスターツ出版。その中で、東京メトロ駅構内で10万部配布しているフリーマガジン『メトロミニッツ』は、地方自治体のプロモーションやクリエイティブを支援する取り組みも行っています。今回はオリジナルのかるたをプロデュースした高知県との取組みをご紹介。本プロジェクトを担当した『メトロミニッツ』編集長・古川と、ブランドソリューション事業部アカウントグループの藤原が語る、かるた作りの裏側とは?

冊子制作やイベントまで幅広い支援活動

冊子制作やイベントまで幅広い支援活動

スターツ出版㈱:古川(写真左)/藤原(写真右)

「豊かな暮らしのヒントはローカルの日常にある」をテーマに日本全国の魅力的な「モノ・コト」をご案内している『メトロミニッツ』。編集長の古川はプライベート含め年に10回は高知に足を運ぶという、自他ともに認める高知フリーク。高知県との出会いは東日本大震災が起きた2011年でした。

古川───「当時は『オズマガジン』の編集長という立場だったのですが、ある雑誌の『震災後のメディアの在り方』というテーマの座談会に呼ばれたんです。そこでたまたま隣に座った新聞記者の方が高知県出身で、高知の魅力をいろいろと教えてもらったんですね。そんなに言うなら行ってみようと」

偶然の出会いから始まった高知県とのつながり。実際に行ってみて、その魅力にどっぷりはまってしまったそう。

オズマガジン
砂浜美術館

高知県黒潮町の砂浜美術館

古川───「その時に行ったのが黒潮町の砂浜美術館。そこには建物がなくて、“私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。”という素晴らしいコンセプト。そこではTシャツアート展という恒例の企画展があって、読者からTシャツのデザインを募集して東京から送るというイベントが高知での最初の大きなお仕事だったと思います」


そのイベントをきっかけに、「オズマガジン」や「OZmall」といったメディアでの広告出稿にとどまらず、首都圏での魅力発信イベントや、読者を連れてのツアー、編集長自ら5泊6日のワーケーションレポートをするなど、さまざまな企画を展開。その中でも今回のかるたの制作は特に思い入れの深いプロジェクトになったそう。

かるたで高知の魅力を伝える

カルタ

藤原───「2024年から4年間続く『どっぷり高知旅』という県の観光プロジェクトの一環として、かるたを使って高知の魅力を伝えるという提案をしました。このかるたは読み札で5・7・5のリズムであるあるネタを読み上げ、絵札にはそのあるあるネタを表現したイラストが描かれています。46組の札を作る必要があるのですが、プロモーションのためにも1,000のネタを集めようという目標を掲げまして。集めるのに非常に苦労しました」

あるあるネタを集めるために、阪神百貨店での催事や高知龍馬空港、東京のアンテナショップ「まるごと高知」でイベントを開催。立ち寄る人に声をかけて、高知あるあるをひたすらヒアリング。最終的には1,013のネタが集まりました。その中から「あ」~「ん」まで46のネタを厳選し、5・7・5のリズムに落とし込む…。さらには高知県内の各市町村に満遍なくネタを振り分けるという難易度の高い作業も。

カルタ

古川───「観光プロモーションの施策なので、このかるたが高知県を巡ってもらうガイドにならなければなりません。絵札の裏にはしっかりあるあるネタにまつわる観光情報が記載されています。このかるたを使って高知の隅々まで巡ってほしかったので」

観光情報の発信や、キャンペーンはどうしても都市部の観光資源に偏ってしまいがち。本キャンペーンの立ち上げ当初は、小さな村の地元の事業者を巡り、協力を仰いで、しっかり地元に根付かせる動きも欠かさなかったそう。

藤原───「地道にネタを集め、事業者を巻き込むことはもちろん、PRパートナーと手を組んでメディア露出にも力を入れました。地元のテレビ局をはじめさまざまなメディアにカルタを取り上げていただき、広告換算値は2億円以上に。学校や病院、介護施設などから『かるたはどこで買えるの?』というお問い合わせを多くいただきました。当初は道の駅や宿泊施設への配布や展示、貸し出しのみを想定していたのですが、紆余曲折あって高知龍馬空港とアンテナショップ『まるごと高知』で販売することになりました」

スターツ出版だからこそできる地方創生の支援の形

今回のようにメディアを使って情報発信するにとどまらず、“情報の元”となるモノ・コトからプロデュースを手掛けるケースはスターツ出版では珍しいことではありません。

スターツ出版だからこそできる地方創生の支援の形

古川───「人口流出、高齢化、祭りに人を呼びたい、若者向けのお土産がない…。地域にはそれぞれ異なる課題があります。『やったことないからできません』とは言いたくないんですよね。実際に足を運んで、いろんなところに顔を出しているうちに、その街が好きになる。これは僕だけじゃなくて他のメンバーも同じ。だから、課題解決のために必要なことをメディアの枠にとらわれず考えられる。もちろん20年、30年と続けてきた『オズマガジン』、『OZmall』、『メトロミニッツ』というブランドと、スターツグループの中のクリエイティブ集団であるという信頼があってこそできることですが」

長年にわたって読者・ユーザーと向き合いながら、メディアを制作、運営を継続しているスターツ出版。そこから得られた知見・ノウハウと、地域に入り込むからこそできる企画と提案はきっと、さまざまな課題を抱える地方自治体に役に立てるはずです。 ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

営業時間
10:00~17:00(水曜・日曜定休)
URL
https://starts-pub.jp/

大ヒット小説「あの花が咲く丘で~」 原作者が若者に伝えたかったこと

スターツ出版発行の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』シリーズ累計150万部現在(2025年3月現在)を超える大ヒットを記録した 本作の原作者 汐見夏衛(しおみ なつえ)先生と、編集担当社員の座談会の様子をお届けします。本作を通じて若者へ届けたい想い、風化させてはいけない歴史への想いを語ります。

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