2025年3月31日

まちづくりの未来のために。
一気通貫の建設データの活用

建設DX
まちづくりの未来のために。 一気通貫の建設データの活用

スターツは2013年から「BIM(Building Information Modeling)」を活用して、お客様が建物を建てる前、建てる時、建てた後、どの時点でも満足とご安心をしていただける仕組み作りを進めてきました。建物の照明器具ひとつでも、寸法、素材、メーカー、コスト、そして組み立ての工程に至るまで情報を取り込み、データベース化する「BIM-FM PLATFORM」。このスターツ独自のシステムがどのように進化してきたのか、その歴史をご紹介します。

2013年から始まった、スターツのBIM

日本では2009年がBIM 元年と呼ばれていますが、2023年のある調査によると約3割の設計事務所と約7割の建設業者でBIM の導入が進んでいます。スターツがBIM の調査検討を開始したのは2009年。2013年にはBIM プロジェクトを発足。2014年にはCAM設計部のデジタルデザイン室の開設や「BIM-FMプロジェクト」の発足、そして「BIM-FM 準備室」の開設と、関連部署の立ち上げが加速。そのきっかけとなったのは、カンボジア・プノンペンでの事業開発でした。建築の確認申請をクメール語で作成しなければならず、現地の設計事務所に協力を依頼。当時のカンボジアでは3Dの設計が進んでおり、その様子を間近で見て「世界の潮流に乗り遅れてはいけない」と、BIMの取り組みを加速させることになったのです。2016 年には「BIM 生産管理部」という専門部署を立ち上げ、専門性が高い人材を集めてBIM の活用を推進しています。設計においても、意匠構造設備、工事から現場監督や工事の予算計画を立てる人材も全てBIM で業務をすることで、業務内での分断がない組織構築を行ってきました。2022年2 月には、ISO19650 に基づく「BIM-BSIKitemark」の認証を取得。設計と施工の両方を対象とするkitemark 認証は、日本初の事例となりました。そして2024年2月に「PAS2080カーボンマネジメント認証」を取得。こちらはアジア初の事例となっています。

スターツでは「BIM」に「FM(Facility Management)」をつけて「BIM-FM」という考え方を採用しています。「FM」とは「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画・管理・活用する経営活動」のこと。つまり、目先のコストだけでなく、将来のことやそこで働く従業員のことなどを見据えた上で、「ファシリティ=施設・設備」の長期的な最適化を図るのが、ファシリティーマネジメントです。一方、FMとよく似た不動産管理に「プロパティマネジメント(PM)」や「ビルマネジメント(BM)」があります。「PM」は不動産経営における収益を上げるための管理業務で、一般的にはオーナー様の委託を受けて行う賃貸不動産の管理業務を指します。もう一方の「BM」は、一般的に建物や設備の維持を行う管理手法です。そして「BM」と「FM」の違いは、経営的視点があるかどうか。「BM」はあくまでも建物や設備の維持・修繕に留まりますが、「FM」では長期的な経営視点から建物や設備の最適化を図ります。

2013年から始まった、スターツのBIMイメージ

そしてプラットフォーム化へ。「BIM-FM PLATFORM」を都市の未来へ

BIM-FMポスター

スターツグループは建築、不動産、管理、金融など建物に関する一連の事業が揃っています。長年にわたる研究で培ったBIMの知見とノウハウを、建物の企画・設計・施工の先にある運営・維持管理といったファシリティーマネジメントに活用。新築だけでなく、既存の建物まですべてをデータ化して、FMデータへスムーズに移行することを可能としました。“建てて終わりではない”という基本姿勢のもと、建物のライフサイクル全般を一気通貫でカバーする、スターツ独自のプラットフォームサービスが実現したのです。さらにすべての建物のため、都市の未来のために、このプラットフォームをオープン化。さまざまな企業とコラボレーションが可能になるとともに、多くの悩みを抱えるビルオーナーや管理業務を行う企業にご活用いただいています。

BIM-FM歴代ポスター BIM-FM歴代ポスター

建設業界の、そしてまちづくりの未来のため。
「BIM」を牽引するスターツ

2018年9月、スターツが代表幹事を務める「BIM-ECコンソーシアム」が立ち上がりました。これは建築生産システム全体をBIM データで連携させる仕組み作りを目指したもので、建物発注者、設計会社、施工会社、メーカー、管理会社など1工種1社の会員14社で設立。BIM とEC(電子商取引)の特徴を掛け合わせること(= BIM-EC)で、設計・積算・発注・物流・納品・施工・維持管理までがワンストップで行われ、スピーディーな取引やコスト圧縮を実現し、生産性を最大化するとともに、建物発注者に対して情報が透明化されることを目指しています。

また、より多くの方にファシリティマネジメント(以下、FM)に関するデータをご活用いただくことを目指し開発されたクラウド建物維持管理システム「FM-Integration」をFMシステム社とともに2020年9月に発表。FM 用の共通データベースを中心に、BIM や図面管理、長期修繕計画や点検・保全管理などFM 業務におけるさまざまな機能を連携し統合することが可能となりました。

BIM-FM PLATFORMイメージ

「建物はすべて、データになる。そして、建物の未来は変わる」。そんな強い想いから「BIM-FM PLATFORM」がはじまり、スターツは長年にわたって研究し続け、挑戦をし続けてきました。次の10年、さらには次の100年を見据えて、スターツは建物のビッグデータが、すべての建物のために、都市の未来のためにどうあるべきなのかを追求し続けてまいります。

さらにBIM-FM PLATFORMについて詳しく知りたい場合は
>>「進めBIM-FM PLATFORM」https://bim-fm.starts.co.jp/

営業時間
10:00~17:00(水曜・日曜定休)
URL
https://bim-fm.starts.co.jp/

紙の図面はもう古い?建設・管理業界のDX最前線とは

スターツのBIM活用は業務効率化や、建てて終わりではありません。建物の運営・管理に至るまで活用し、お客様に独自ソリューションを提供しているスターツの取り組みをご紹介します。

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