プレスリリース

※社名・役職などは掲載当時のものです。

2021年12月20日

<スターツCAM株式会社>
第七回鈴木禎次賞【特別賞】受賞
免震技術を活用した特許工法で築100年超の歴史的建築物を改修・保存

 スターツCAM株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:直井秀幸)では、26年にわたり培ってきた免震技術※1を活用し、歴史的価値のある貴重な建築物の改修・保存にも取り組んでいます。今回、新たに「ジャッキアップレス」工法(特許出願中)を開発し、国の登録有形文化財である築103年の「岡崎信用金庫資料館(愛知県・岡崎市)」に採用。その技術が認められ、光鯱会主催の第七回鈴木禎次賞にて応募総数56点から【特別賞】を受賞致しました。
※1 スターツCAMの免震技術については資料①をご覧ください。





◆築103年の有形文化財を保存するため、新工法を採用
 国の登録有形文化財、岡崎市景観重要建造物となっている「岡崎信用金庫資料館」は、鈴木禎次氏が設計した築103年のレンガ造りで、歴史的価値の高い建築物です。以前の大規模補強工事からすでに40年近く経っていることから、耐震工事(免震レトロフィット工事)を行い、2020年12月に竣工しました。
 既存建築物の免震レトロフィット工事には大がかりなジャッキアップが必要であり、金額と工期が大きくなってしまうことから、建物をジャッキアップしない工法を開発しました。外周の煉瓦壁の連続基礎部分に、小さな開口をあけ、薄いすべりタイプの免震装置を配置。その上に埋め込み式の薄いジャッキを設置。上部の建物と基礎の間を切断して免震化する工法です。本工法を採用することで震度7の地震の際も、レンガの落下を含めた建物の損傷を防ぐ上、約40%のコストカットを実現。さらに、2020年11月には特許を申請致しました。
 これからも技術追及に努め、お客様と地域の皆様の課題解決のため、技術を進化させながら建築していくとともに文化の承継にも役立てるよう努めてまいります。






===============資料①===============



スターツの26年~免震への取り組み~
 スターツは1995年に発生した阪神淡路大震災を契機に、免震建物の社会的必要性を探求。今日まで26年に渡り、技術研究と併せて地域住民の皆様へのご理解を賜り、免震建物の普及に努めてきました。2021年2月末までで、受注棟数:532棟、住宅戸数:13,452戸の実績があり、設計から施工まで手掛けた免震建物の棟数は、首都圏で1位※を誇ります。 ※免震構造協会参考値データ(2018年)



■建設地や収益性にも配慮した技術開発。免制震特許工法は15件に(出願中含む)■
 2005年に特許を取得した「高床免震」(特許番号 第3811711号、左)は、建物の1階部分を地盤面から高い位置に配置。1階部分が地盤から高くなることでプライバシー保護に役立つ上、免震装置を配置するための地盤工事にかかる施工費用を抑えることが可能です。
 また建物の中間層に免震装置を配置し、基礎部分にかかるコストを大幅に抑え、狭小地など都心部にも対応可能な「吊床免震」(特許番号 第3962758号、右)など、建設条件や施工費を加味した独自工法を開発。2021年1月末までに15件の特許を取得しています。



■免震普及・地震災害への取り組み■
・防災用井戸、かまどベンチの設置が累計157棟に
飲料水よりもトイレの水などの生活用水が不足するという阪神・淡路大震災の教訓から、建築物件には家庭用水を供給する防災用井戸の設置や非常時にかまどとしても利用できるベンチの併設をオーナー様にお願いしています。


・免震起震車による地震体験は過去5年で約5万人
2007年、日本で初となる免震の揺れが体験できる起震車(地震体験車)を開発。 
各地の防災イベント等に派遣し、地震の揺れの恐ろしさと、免震の効果を伝える啓蒙活動を行っています。



■官民一体となって取り組んだ、安心して住み続けられる街づくり■

タイムレスタウン新浦安

 2010年にJR「新浦安」駅徒歩圏内最後の大型開発用地(約51,900㎡)にて、分譲住宅(免震マンション170戸・建売戸建88戸)、介護福祉施設(認可保育園・高齢者福祉施設等)、集会場に加え周辺住民にも開放される公園や遊歩道を設けた大型開発プロジェクト<タイムレスタウン新浦安>が始動しました。しかし、2011年の東日本大震災により、敷地の一部が液状化。計画も一時中断しましたが、2011年11月にスターツが幹事となり、浦安市・明海大学なども参加した産・官・学一体の「浦安市環境共生都市コンソーシアム」を結成。分科会等で協議を重ね、官民が一体となって地域ブランド回復に取り組みました。
 その後、タイムレスタウン新浦安は2014年に再始動。民間事業最大となる5万㎡超の液状化対策と併せて地盤改良工事を実施し、設計・施工を行った免震分譲マンションは2018年9月に竣工。防災に強い街づくりの一助を担うとともに、地域ブランドの向上を目指しています。

 実施した液状化対策は、東日本大震災同等の地震時に対し、敷地内地盤が 「2/1000 傾斜しない」ことを目指して、 2種類の改良工法を用いて設計・施工しています。



<タイムレスタウン新浦安>
所 在 地 :千葉県浦安市明海2丁目2-1
開発面積:約51,900㎡
計画概要:
分譲マンション「QUWON新浦安」
分譲戸建て「QUWON GARDEN新浦安」
介護施設「ケアステーションうらら新浦安」
認可保育園「新浦安きらきら保育園」
集会場・遊歩道(外周約1㎞)など


■建物の維持管理や技術開発に活かすスターツの総合力■
 スターツグループは建設会社であるスターツCAM(株)、全国で650店舗※を展開する総合不動産ショップ「ピタットハウス」による不動産仲介、賃貸住宅を約13万室※管理するスターツアメニティー(株)の3社が協力し、建設からその後の維持管理までを一貫して土地オーナー様にご提供しています。 ※2021年2月末時点
 免震建物に関しても、各社が連携して維持管理を徹底。特に免震装置は法律により定期点検が義務付けられているため、スターツでは施工を行うスターツCAM(株)内に専門チームを組織化し、技術者による点検を行っています。2019年には半自動で点検を実施できるシステムを開発し、実現場で導入を開始。アフターフォロー体制を整えることでオーナー様にご安心いただけるよう免震装置は20年保証※とし、さらには地震計による地震計測を続け、研究データを蓄積することで将来の技術開発に活かしています。
※免責事項や有料定期点検の実施など、保証契約締結が必要





<本リリースおよび取材に関するお問い合わせ>
スターツコーポレーション株式会社 広報部
担当 : 小田・小宮
E-mail:group-pr@starts.co.jp
TEL:03・6202・0380(直)
FAX:03・6202・0333

<免震技術・免震建物に関するお問い合わせ>
スターツCAM株式会社
スターツ免制震構造研究所
担当:中西・千田
E-mail:cam-menshin@starts.co.jp
TEL:03・3510・2135(直)

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