2025年11月06日
サービスの核は「人」
対応品質にこだわるコールセンターを支える独自の人材育成に迫る
住まいのお困りごとに24時間365日体制で応えるスターツのコールセンター業務「アクセス24」。2025年10月現在、スターツの自社管理物件約15万戸に加え、約500社の不動産会社から委託を受けた70万戸を超えるマンション、アパートなど賃貸物件のお問い合わせを受けるコールセンターです。ただの伝達役に終わらず「問題を解決に導く」ことをモットーに、入居者様の声に寄り添うスタッフが揃っています。そんな高品質なサービスの核となるオペレーターの「人材育成」について、その独自の取り組みと根底にある想いを、エスティ―メンテナンス株式会社幕張アクセスセンターのセンター長・菊池健太に聞きました。
目次
サービスの品質は「人」で決まる。だから育成に一切の妥協はない
コールセンターのサービス品質は、対応するオペレーターのスキルや経験によって、ばらつきが生じやすいという課題があります。しかし、スターツのアクセスセンターは、「いつでも、どのオペレーターが対応しても、高品質なサービスを提供する」ことを絶対の使命としています。その根幹を支えているのが、徹底した人材育成です。
菊池――「私たちの商品は、一人ひとりのオペレーターです。だからこそ、働く人を尊重し、誰もが誇りを持って仕事に取り組める環境づくりを何よりも大切にしています。いくら丁寧な言葉遣いをしても、入居者様が抱える問題が解決しなければ、本当の満足には繋がりません。経験を重ね、できることが増え、そのことが評価される環境は、オペレーターが想いをもってこの仕事に取り組む土台となります。その場で解決に導く『ワンストップサービス』を実現するためには、オペレーター自身が成長し、豊富な知識と入居者様に寄り添う心を持つことが不可欠なのです」
アクセスセンターには、20代の若手から勤続20年以上のベテランまで、幅広い年齢層のオペレーターが在籍しています。その採用方針はユニークで、必ずしもコールセンター経験者を優遇しているわけではありません。元ピタットハウスの社員や地域に暮らす主婦、また学生アルバイトから社員になった者など、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっています。
菊池――「私たちが求める能力は、経験よりもまず『想像できる力』です。当然ですが電話口では入居者様の姿は見えません。言葉の裏にある入居者様の状況や本当の想いをいかに想像し、寄り添えるかが鍵になります。そんな人材を時間をかけて育てていくことが、スターツの財産になると考えています」
問い合わせを受けるオペレーター、そしてその対応をチェックし、難しい案件をサポートするSV(スーパーバイザー)と社員が連携して日々の業務が行われます。一人ひとりの力とチームワークで、日夜入居者様の課題解決のお手伝いをしているのです。
実体験を重視したスターツ独自の研修制度
スターツ幕張ビル内の「テクニカル研修センター」には実際の建物設備が並ぶ
高品質な対応を均一に提供するため、アクセスセンターでは独自の研修プログラムを構築しています。スターツが管理する賃貸物件だけでなく、スターツアメニティーの運営する時間貸し駐車場「ナビパーク」をはじめ、問い合わせの内容もさまざまです。それだけでなく外部の不動産会社より受託しているコールセンター業務にも対応するため、より多くの知識と対応力が必要になります。新しく入社したスタッフは、約3ヶ月の研修期間を経て、1年ほどで一人前のオペレーターになることを目指します。
菊池――「入社後の3ヶ月間は、集中的に知識とスキルを身につける期間となります。最初の1〜2週間は座学で、スターツグループ全体のことから賃貸管理の仕組みまで、業務に必要な基礎を学びます。その後、先輩の通話録音を聞いて対応の流れを掴み、実践へ進んでいきます。その他にも、言葉の伝え方が問われるクレーム対応研修や、外部のクライアントへの報告書作成研修など、多岐にわたるカリキュラムを用意しています」
数ある研修カリキュラムの中でも、スターツらしさが最も表れているのが「設備研修」です。アクセスセンターがあるスターツ幕張ビルには「テクニカル研修センター」という研修施設が併設されており、そこには給湯器やエアコン、様々な種類の水栓やトイレのロータンクといった、本物の住宅設備がずらりと並んでいます。
「私たちが研修で特に大事にしているのは、文字や言葉だけでなく『実物を見る、触れる』ということです。例えば『シングルレバー水栓をお使いですか?』と専門用語でお伝えしても、入居者様には伝わりません。しかし、研修で実物に触れていれば、『お湯と水を一本のレバーで操作するタイプの水栓をお使いですか?』と、誰にでも伝わる言葉でご案内がすることができます。この研修センターがあるからこそ、電話口での案内に具体性と説得力が生まれ、お悩みに対して的確な回答ができるのです」
「あなたで良かった」のために。研修の成果が自信と安心を生む
座学と実践で得た知識は、日々の現場で着実に活かされています。特にテクニカル研修センターでの学びは、入居者様の「困った」を迅速に解決する大きな力になっています。
菊池――「研修の成果は、日々の応対すべてに繋がっています。例えば、エアコンが動かないというお問い合わせに対し、ただ修理業者の手配をするのではなく、『一度コンセントの抜き差しを試していただけますか?』『フィルターのお掃除はお済みですか?』といった具体的な状況の確認ができるのは、研修で実際の構造を理解しているからこそ。修理業者を手配すれば、入居者様には訪問をお待ちいただく時間、オーナー様には費用のご負担がかかってしまいます。電話で解決できれば、双方のご負担をなくし、その場で問題を解消する最善の方法となります。実際に、電話口で解決できるケースは決して少なくありません」
では、オペレーターはどれくらい成長すれば「一人前」と認められるのでしょうか。それは単にマニュアル通りに対応できることではありません。菊池は、その先に求められる視点があると語ります。
菊池――「私たちが思う一人前とは、一人で一通りの電話応対ができることに加え、賃貸管理業務の全体像を理解した上で、『自分が担うべき役割』を自覚することと考えています。入居者様、オーナー様、管理会社それぞれの立場に立った視点を持って物事を考えられるようになってはじめて、本当の意味でプロフェッショナルと呼べるのだと思います」
目指すのは期待を超えるサービス。24時間つながる安心の、その先へ
手厚い人材育成は、すべてオーナー様・入居者様の満足のためにあります。アクセスセンターが日々の業務で何よりも大切にしているのは、単にトラブルを処理することではなく、日々の暮らしに「安心」を提供することです。
菊池――「私たちが第一に考えているのは、どんな時でも24時間電話がつながるという『安心感』です。特に夜間の連絡は、その場で解決したいという切実な要望がほとんど。その電話にすぐに出て、的確に解決へ導く。その一つひとつの積み重ねが、オーナー様・入居者様の満足とスターツグループへの信頼に繋がると信じています」
最後に、菊池は今後の展望とオーナー様・入居者様へのメッセージを込めて、こう語ります。
菊池――「私たちの使命は、お客様の期待以上のサービスを提供し続けることです。電話の向こうには、必ず『人』がいます。その方の気持ちを想像し、親身に寄り添う。その原点を決して忘れずに、これからもオペレーター一人ひとりがスターツの顔であるという誇りを持ち、入居者様、そしてオーナー様の大切な資産と暮らしを守ってまいります」