2025年11月06日
24時間365日。お客様の資産と安全を守るコールセンター
スターツでは住まいのお困りごとに迅速に対応するコールセンター事業「アクセス24」を運営しており、千葉県・海浜幕張と群馬県・前橋の2拠点体制で、全国約80万戸の暮らしの安心を支えています。スターツが長年の不動産管理で培ったノウハウを活かしたコールセンターは、他社とは違うスターツならではの“強み”があります。エスティ―メンテナンス株式会社幕張アクセスセンターのセンター長・菊池健太にこの事業にかける想いを聞きました。
目次
すべては入居者様のために。ノウハウを結集して生まれた「解決に導く」コールセンター
2001年に設立したアクセスセンターは、スターツグループの中で賃貸住宅のメンテナンス事業を担うエスティ―メンテナンスが運営を行っています。設立前は、夜間・休日の入居者様からのお問い合わせ対応は外部のコールセンターに委託していましたが、必ずしも賃貸管理の専門知識があるわけではないため、単なる伝言ゲームになってしまい、結果的にご迷惑をおかけすることもあったそうです。
菊池――「例えば、騒音の苦情をいただいても『担当者から折り返します』という対応にとどまっていました。しかし、入居者様が知りたい『管理会社として何をしてくれるのか』という具体的な解決への道筋をご説明できなければ、不安や不満は募る一方です。こうした状況を解決すべく、スターツが持つ管理のノウハウを活かしたコールセンターを自社で設立しよう、と思い立ったのがアクセスセンターの始まりです」
目指したのは、問題を解決に導くコールセンターです。実際に入居者様が抱える問題を、できる限りその場で解決するという、1歩先の対応を実現すべく動き出しました。当初はスターツアメニティーの管理物件のみを対象としていましたが、「同じ悩みを抱える不動産会社は多いはず」という考えから、翌2002年には外部の不動産会社からの委託業務もスタートしました。
アクセス24の業務フロー
2025年10月現在時点では、スターツの自社管理物件に加え、外部委託先約500社・約70万戸、さらにスターツアメニティーが運営する時間貸し駐車場「ナビパーク」の問い合わせ先として機能するなど着実に事業は拡大。1日に受けるお問い合わせは、約1,300〜1,500件にものぼります。
中でも大きな転機となったのが、2020年6月の前橋アクセスセンターの開設です。これは、台風や地震といった災害などの緊急時でも事業を継続するためのBCP(事業継続計画)の一環でした。
前橋のアクセスセンター
菊池――「2018年、19年と大規模な台風が続き、電車の計画運休でオペレーターが出社できない事態を経験しました。どんな状況でも入居者様の暮らしを守るためには、拠点を分散させる必要があります。そこで災害のリスクが少なく、首都圏からのアクセスが良い前橋を2つ目の拠点に選びました。結果的に、コロナ禍におけるリスク分散にもつながり、24時間365日、決してと止まることのないサービス提供体制をより強固なものにできました」
時代の変化を映すお問い合わせ。有事にこそ輝く「情報ハブ」としての真価
アクセスセンターに寄せられるお問い合わせは、大きく「ハードクレーム」と「ソフトクレーム」に分けられます。エアコンや給湯器の故障、水漏れといった設備に関するものが「ハードクレーム」。そして、騒音やゴミ出しマナー、不審者情報といったトラブルに関するものが「ソフトクレーム」です。
菊池――「ここ数年でソフトクレームの内容は大きく変化しました。コロナ禍以降、在宅勤務が普及したことで、生活音に関するお問い合わせが急増。これまで気にならなかったお隣の生活音がストレスになる、というのは現代ならではの悩みかもしれません」
アクセスセンターに寄せられるお問い合わせの内容
多種多様なお問い合わせが集まるアクセスセンターですが、緊急事態の時こそその真価が発揮されます。2025年5月、江戸川区で発生したガス爆発事故では、アクセスセンターがスターツグループの情報ハブとしての役割を最大限に果たしました。
菊池――「『管理物件の近隣で爆発があった』という第一報を受け、すぐさま被害状況の確認に動きました。その近隣の管理物件は窓が割れるなどの被害を受けており、またすぐそばにはアクセスセンターが業務を受託しているクライアント様の事務所やスターツグループが運営する時間貸し駐車場『ナビパーク』があったのです。すぐに専門チームを立ち上げ、現地に向かった営業担当とリアルタイムで情報をやり取り。同時に、ナビパークの担当部署や近隣のクライアント様へも状況を共有し、被害の拡大防止に努めました。この出来事は、グループの情報が一手に集まるアクセスセンターの存在価値をあらためて実感する機会になりました。」
グループの「最前線」にして「最後の砦」。顧客満足が新たなビジネスを創出する
アクセスセンターはスターツピタットハウスの店舗へのお問い合わせ、スターツデベロップメントが分譲したマンションの購入者、スターツCAMが手掛ける建築現場に関する緊急連絡、そしてスターツコーポレートサービスの社宅代行業務など、グループ各社のサービスのあらゆる窓口機能も担っています。
菊池――「我々は、お客様がスターツグループと最初に出会う『フロントライン(最前線)』であるという強い自負を持っています。私たちがいかに質の高い対応ができるかが、グループ全体の信頼に直結するのです。また同時に、災害時など、他の部署が機能しにくい状況でも動き続ける『最後の砦』としての責任も感じています。24時間365日、いつでも電話が繋がるという安心感こそ、我々が提供する最大の価値です」
そして、アクセスセンターが生み出す価値は、トラブル解決に留まりません。入居者様の満足度向上は、退去率の低下に繋がり、スターツに物件を預けている不動産オーナー様の賃貸経営の安定にも貢献します。その満足度の高さが、グループ全体への信頼の獲得へと発展していくのです。
菊池――「入居者様に満足していただくことが、結果的にオーナー様の資産価値を守り、高めることに繋がります。そして、スターツが管理する物件で暮らすことの価値を感じていただければ、それが次のステップへと自然に繋がっていく。スターツの事業における好循環の起点となる重要な役割を担っていることに、大きなやりがいを感じています」
お客様に寄り添う心を何よりも大切に
近年、コールセンター業界ではAIによる自動応答など、テクノロジーを活用した効率化がひとつのトレンドとなっています。もちろんスターツとしても、時代のニーズに応じたサービスのあり方を常に模索し、進化させています。
菊池――「世の中の流れとして、より便利で効率的なサービスが求められていることは間違いありません。しかし、どれだけ技術が進歩しても、最も大切にしている価値は『人』であるという信念は揺らぎません。緊急のトラブルに見舞われた時、お客様は非常に不安な気持ちで電話をかけてこられます。その声に耳を傾け、状況を正確に把握し、親身に寄り添う。そして、解決までの道筋を丁寧にご説明することで、少しでも安心していただく。こうした血の通った対応は、人でなければできないと私たちは考えます」
菊池は、アクセスセンターで働くオペレーター一人ひとりが「スターツの顔」であるという意識を常に共有していると言います。
菊池――「私たちの商品は、オペレーター一人ひとりです。だからこそ、働く人を尊重し、誰もが誇りを持って仕事に取り組める環境を大切にしています。入居者様はもちろん、オーナー様、管理会社、地域の方々。そうした全ての視点を意識し、『スターツに任せてよかった』と言っていただける対応を追求する。AIには真似のできない、人の心とこれまで培ってきた経験で、これからもお客様の暮らしに寄り添っていきたいです」