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海外赴任中の確定申告の基本ルールは?手続きも解説


海外赴任中の確定申告の基本ルールは?手続きも解説

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。税制や各種手続きは変更される可能性があるため、最新情報は国税庁などの公的機関でご確認ください。

1年以上の海外赴任で日本の非居住者となる場合、出国日までにその年の1月1日から出国日までの所得について「準確定申告」を行う必要があるケースがあります。海外赴任中に日本国内で不動産所得や役員報酬などが発生する場合は、納税管理人を選任し、翌年に確定申告を行うのが基本です。

海外赴任中の確定申告の基本ルールは?

海外赴任が1年以上の予定なら、日本では非居住者として扱われます。国内源泉所得がない限り、確定申告は原則不要です。

海外赴任中の確定申告の基本

1年以上の海外赴任では、一般的に非居住者となり、日本で課税されるのは国内源泉所得に限られます。ただし、日本国内の不動産収入や役員報酬などがある場合は、確定申告が必要です。

とくに押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 非居住者は、原則として国内源泉所得のみが日本で課税対象になる
  • 日本国内の不動産収入や役員報酬などがある場合は、申告が必要になる
  • 海外赴任を機に、申告が完全になくなるとは限らない

出国前の手続きにも注意が必要です。納税管理人を選任しない場合は、その年の1月1日から出国日までの所得について、出国日までに申告と納税を行います。

一方で、出国前に納税管理人を選任した場合は、出国前後の所得をまとめて、翌年に納税管理人を通じて申告が可能です。非居住者になるかどうかに加え、日本国内の所得があるか、納税管理人を置くかで対応は変わります。

出国前に、自分がどの申告方法に当てはまるか確認しておきましょう。

出典: 国税庁「給与所得者の方で国外転出を予定されている方へ」

海外赴任が決まったらやるべき「確定申告」の手続きは?

海外赴任で非居住者になる場合は、出国前に納税管理人の選任と必要書類の届出を確認しておく必要があります。日本国内で所得が発生する場合は、納税管理人を通じて申告と納税を行いましょう。

海外赴任前に必要な申告手続き

海外赴任が1年以上に及ぶ場合は、一般的に非居住者として扱われます。日本国内で不動産収入などの所得があるときは、出国前に納税管理人を選任し、所得税・消費税の納税管理人の届出書を税務署へ提出します。

出国前に確認したい主な手続きは、次のとおりです。

  • 納税管理人を選任するか
  • 税務署へ届出が必要か
  • その年の1月1日から出国日までの所得をどう申告するか

あわせて、その年の1月1日から出国日までの所得についても確認が必要です。納税管理人を選任しない場合は、出国前に所得税の確定申告を行い、納税まで済ませる必要があります。会社で年末調整を受ける場合もありますが、状況によっては自分で確定申告を行います。

赴任中に日本国内の不動産収入や売却益が発生した場合は、翌年の申告期間に納税管理人を通じて申告と納税を進めます。出国前に、誰が申告するのか、どの所得が申告対象になるのかを決めておくと、渡航後の手続きが進めやすくなります。

帰国した年の確定申告はどうすればいいの?

帰国して日本の居住者に戻った年は、帰国前の国内源泉所得と、帰国後のすべての所得を合わせて申告します。申告時期は、翌年2月16日から3月15日です。

帰国した年の確定申告の考え方

1年以上の海外赴任で非居住者となっていた人も、帰国後は日本の居住者として扱われます。帰国した年は、帰国前の国内源泉所得と、帰国後の給与や副収入を合わせて申告します。

帰国後の給与は年末調整の対象ですが、それだけで申告が終わるとは限りません。

とくに、次のような場合は確定申告が必要です。

  • 帰国後の給与収入が2,000万円を超える場合
  • 帰国前の国内源泉所得と、帰国後の給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合

所得控除の扱いにも注意が必要です。主なポイントは、次のとおりです。

  • 医療費控除や生命保険料控除などは、帰国後の居住者期間に支払った金額を基に計算する
  • 配偶者控除や扶養控除、障害者控除などは、その年の12月31日時点の状況で判定する

帰国した年は「帰国前」と「帰国後」で所得の扱いが分かれるため、年末調整だけで済むと思い込まず、申告の要否を確認しておくことが大切です。

出典: 国税庁(No.1935 海外勤務者が帰国したときの確定申告)
出典: 国税庁(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))

【富裕層・法人向け】海外赴任時の確定申告の注意点は?

富裕層や法人関係者は、通常の確定申告に加えて、国外転出時課税制度や住民税の扱いにも注意が必要です。e-Taxを使う予定がある場合は、マイナンバーカードの継続利用手続きも確認しておきましょう。

富裕層や法人関係者が押さえるべき税務手続きのポイント

富裕層や法人関係者が海外赴任する場合は、通常の確定申告だけでなく、資産課税や住民税の扱いまで見ておく必要があります。一般的な会社員の海外赴任より、確認すべき項目が増えやすいためです。

とくに注意したいのは、次の3点です。

  • 国外転出時課税制度
  • 住民税の扱い
  • マイナンバーカードの継続利用

まず国外転出時課税制度では、1億円以上の有価証券などを保有している場合、出国時に含み益へ課税される可能性があります。対象になる資産や要件は細かく決まっているため、事前確認が欠かせません。

住民税の扱いも見落としやすいポイントです。1月1日時点で日本に住民票がある場合は、その年の住民税が課税されます。出国日だけで判断せず、住民票をいつ移すかも含めて確認しておきたいところです。

また、2024年5月27日からは、国外転出後もマイナンバーカードの継続利用が可能になりました。継続利用の手続きをしておけば、海外赴任中でもe-Taxを使いやすくなります。

富裕層や法人関係者の海外赴任では、給与所得だけでなく、株式や不動産、法人との関係まで論点が広がります。通常の申告より論点が広がりやすいため、出国前の段階で税理士へ確認しておくと安心です。

出典: 国税庁「国外転出時課税制度」

まとめ

海外赴任中の確定申告は、居住者・非居住者の区分でルールが変わります。1年以上の赴任では非居住者として扱われ、国内源泉所得がなければ申告は原則不要です。ただし、不動産収入などがある場合は申告・納税が必要になります。

出国前には、納税管理人の選任や、その年の1月1日から出国日までの所得の扱いを確認しておきましょう。帰国した年は帰国前の国内源泉所得と帰国後の所得を合わせて申告するため、年末調整だけで完結しないケースもあります。

海外赴任に伴う手続きは、税務だけでなく、住まいや資産管理まで含めて考えることが大切です。

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