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ニューヨーク不動産投資とは?その魅力と基本知識
The Americas

ニューヨーク不動産投資とは?その魅力と物件種別の全体像
はじめに
ニューヨークは、世界で最も影響力のある都市の一つとして、経済、文化、ファッション、金融の中心地です。そのため、不動産市場も非常に活発であり、世界中の投資家から注目を集めています。ニューヨーク不動産投資には、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙える魅力があり、物件種別やエリアによって投資戦略も大きく異なります。
本記事では、1986年に創設した弊社現地法人 Starts New York Realty, LLCの観点を交えた、「ニューヨーク不動産投資 物件種別」というキーワードに基づき、ニューヨークでの代表的な物件種別ごとの特徴や投資戦略、管理上の留意点などを網羅的に解説します。
本情報は掲載日時点のものであり、将来的には変更となる可能性がございます。
目次
- 1.ニューヨーク不動産市場の特徴と展望
- 1-1)世界屈指の安定した不動産市場
- 1-2)外国人投資家にも開かれた市場
- 1-3)地区による規制と法制度の違い
- 2.物件種別ごとの特徴と選定ポイント
- 2-1)コンドミニアム(分譲マンション)
- 2-2)タウンハウス(Townhouse)
- 2-3)一棟アパートメント(Multi-family Building)
- 2-4)商業用不動産(Commercial Real Estate)
- 2-5)コープ(Co-op / Cooperative)
- 3.投資戦略に応じた物件の選び方
- 3-1)短期収益 vs 長期保有
- 3-2)エリア選定の重要性
- 4.投資成功のために欠かせない専門家のサポート
- 4-1)不動産エージェント
- 4-2)弁護士・税理士・管理会社
- 5.まとめ:ニューヨーク不動産投資における成功の鍵
1.ニューヨーク不動産市場の特徴と展望
1-1)世界屈指の安定した不動産市場
ニューヨークの不動産市場は、基本的には右肩上がりとなっております。これは、ニューヨーク市内の土地供給が限られている一方で、世界中からの住宅・商業需要が絶えずあるためです。また、投資家にとっては米ドル資産としての価値もあり、通貨分散を図る観点からも非常に魅力的な投資先といえます。最近では、住宅金利が高い(6%前後・2025年7月22日時点)ことから、現金でご購入される買主様の交渉力が強くなっており、現金でのご購入の場合は、スターツニューヨークでは、物件によっては価格交渉することを提案しております。
1-2)外国人投資家にも開かれた市場
ニューヨークの不動産は外国人投資家にも比較的取得しやすく、購入時に大きな制限はありません。ただし、税務申告や資金移動、物件の登記などで専門家の助けを得ることが一般的です。また、物件によっては外国人による融資が受けにくいケースもあるため、現地の金融機関や専門家との連携が重要になります。スターツニューヨークでは、物件購入後に発生する現地での確定申告を対応する税理士の紹介をして、保有時のお手間を最大限に軽減できるようご提案しております。
2. 物件種別ごとの特徴と選定ポイント
2-1)コンドミニアム(分譲マンション)

【特徴】
・自己利用ニーズ、賃貸運用ニーズどちらにも対応できるため、外国人投資家にも人気です。
・マンハッタンの中心部やハドソンヤードなどの再開発エリアに多く、資産価値の上昇も期待できます。
・法的にも一室単位で登記できるため、資産の分散投資にも適しています。
2-2)タウンハウス(Townhouse)
【特徴】
・一戸建て感覚の物件で、自己居住+一部賃貸など多様な活用が可能 - 建物自体の価値が高く、長期保有に向いている
・ブルックリンやアッパーウエストサイドなどで人気のタウンハウスは、富裕層やファミリー層をターゲットにした高級物件です。物件価格は高めですが、リノベーションによるバリューアップも狙えます。
2-3)一棟アパートメント(Multi-family Building)

【特徴】
・一棟すべてを所有することで、賃貸収入を最大化できる
・家賃統制の有無により収益性が左右される
・複数区画があるため、空室リスクが分散され、長期安定収入を確保しやすい
・Rent ControlやRent Stabilization*の影響を受けると、賃料の上昇が制限されるため、購入前に法的調査が必須
高い金利(6%前後・2025年7月22日時点)から、実質利回りは5%前後の物件が多く、東京の一棟物件(都心5区)を購入するより高い実質利回りが期待できます。 また空室率も大体2%前後(2025年7月時点)と低く、建物比率が高い(70%~90%)物件も多い為、法人税対策にもお勧めです。
Rent Control / Rent Stabilization*(家賃安定化制度):ニューヨーク市など一部地域で導入されている制度。急激な家賃上昇を防ぎ、住民が長期間安心して暮らせるように行政が毎年の値上げ幅を規制する。オーナーにとっては家賃上昇の自由度が制限されるが、借主からの需要が高いことから空室リスクが低く、長期入居が見込める点がメリット。ニューヨークの住宅市場を語る上で欠かせない制度。
2-4)商業用不動産(Commercial Real Estate)

【特徴】
・ オフィス、店舗、ホテルなどの用途で住宅に比べ収益性が高い
・ テナントの信用力や契約期間により安定性が大きく異なる
・Triple Net* など手間なく運用できる契約形態も
・ 景気変動やパンデミックの影響を受けやすい
・商業用物件は、住宅の物件に比べ高い収益性(Cap Rateで4-5%)が見込める一方で 、テナントリスクや空室率に注意が必要です。コロナ禍以降のリモートワーク定着により、オフィス需要には慎重な判断が求められています。
Triple Net Lease*(トリプルネット契約):アメリカの商業用不動産でよく使われる契約形態。通常の賃貸契約では、オーナーが固定資産税・建物保険・修繕費を負担しますが、トリプルネット契約ではこれらをすべてテナントが負担。オーナーは建物を保有しながらも、家賃収入を「ほぼ純利益」として受け取れるため、安定した投資モデルとして人気があります。
2-5)コープ(Co-op / Cooperative)
【特徴】
・ ニューヨーク特有の物件形態で、所有権ではなく「協同組合の株式」を保有する形式 - 賃貸や転売に制限があるケースが多いです
・コープはマンハッタンに古くから存在する高級住宅形式で、入居審査が厳しく、居住者の質が重視される点が特徴です。価格は比較的安めだが、自己利用を前提とした権利であり、第三者への賃貸借を制限される場合もある。
3.投資戦略に応じた物件の選び方
3-1)短期収益 vs 長期保有
短期的に高利回りを狙いたい場合は、商業物件を推奨します。反対に長期的な安定収入を考えるなら、一棟アパートメントやコンドミニアム・タウンハウスがおすすめです。
3-2)エリア選定の重要性
マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドといった5区(ボロー)では、物件価格や家賃相場、賃貸需要に大きな差があります。特に再開発エリアや大学周辺、交通の要衝は今後の資産価値向上が見込める注目エリアです。スターツニューヨークでは、マンハッタンをメインに物件紹介を行っております。理由としては、マンハッタンエリアの不動産ニーズ(賃貸・売買)が他のエリアに比べ高く 、海外の投資家からも人気が高いからです。
4. 投資成功のために欠かせない専門家のサポート
4-1)不動産エージェント
現地の不動産情報に詳しいエージェント の選定は、海外不動産を購入する上で、大事なポイントになります。 2006年設立したスターツニューヨークは、約20年間の経験を基に日本と現地の商慣習の違い等を説明しながら、現地と日本本社で連携し、お客様の物件購入・売却のサポートをしております。
4-2)弁護士・税理士・管理会社
ニューヨーク不動産の売買契約は、契約書の確認や調整等を弁護士が行います。物件購入後の管理や、税務申告、法的契約書の作成には、必ず専門家を起用すべきです。特に1031エクスチェンジ*やFIRPTA**など、外国人特有の税制度に精通したパートナーは不可欠です。こういった専門家のご紹介、および物件購入後の管理をスターツニューヨークにて行います。ご関心ございましたら是非一度お問合せくださいませ。
1031 Exchange*(1031条):アメリカの税法に基づく制度。不動産を売却して得た利益を「一定期間内に他の不動産に再投資」することで、譲渡益課税を繰り延べできる仕組みです。日本の投資家にとっても、「売却益をそのまま次の投資に回し、複利的に資産を大きくできる」点で非常に魅力的です。条件や期限(通常45日以内に物件選定、180日以内に購入完了)が厳格に定められています。
FIRPTA**(外国投資家不動産課税法):Foreign Investment in Real Property Tax Act の略で、アメリカ国内不動産を外国人が売却した際に、課税を確実にするための制度。原則として売却代金の一部(通常は15%)が源泉徴収され、確定申告で精算されます。日本人投資家がNYの不動産を売却する際にも適用されるため、出口戦略を考える上で欠かせない知識です。
5. ニューヨーク不動産投資 成功の鍵
ニューヨーク不動産投資は、物件種別ごとに明確な特徴と戦略があり、それぞれの強み・弱みを把握した上で、自身の投資目的に合致する物件を選ぶことが重要です。 スターツニューヨークでは、お客様の目的に合わせてご紹介をしております。ただ単に物件紹介をし仲介で終わるのではなく、物件の運営や売却までワンストップで対応させて頂いておりますので、お気軽にお申し付けください。