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ロンドン不動産投資とは?その魅力と基本知識
The Americas

ロンドン海外不動産投資が注目される理由
ロンドンはニューヨークと並ぶ世界有数の金融都市であり、グローバル経済の中心地としての役割を担っています。国際的な企業や大使館、教育機関が集中し、常に世界中から人・モノ・資金が流入する都市であるため、不動産需要は安定的に高い水準を維持しています。
本情報は掲載日時点の情報であり将来をお約束するものではございません。
目次
1.ロンドンのZoneを理解する

ロンドンの不動産を語るうえでまず重要なのは、都市外縁に設定された**「グリーンベルト」です。無秩序な郊外拡散を抑えるこの開発制限は、都心およびその内側エリアの供給を相対的にタイトにし、既成市街地の高密度化・再開発を促します。結果として、内側エリアの希少性プレミアムが形成されやすく、長期的にみても都心・副都心の資産性を下支えする構造になっています。さらに、Elizabeth lineの開業やBakerloo line延伸構想など交通インフラ整備は、グリーンベルトの存在と相まって沿線価値の底上げと新規供給の誘発**につながり、中長期の投資妙味を高めています。

次に、現地で頻出する**「Zone(ゾーン)」を押さえます。Zoneは行政区分ではなく、ロンドン交通局(TfL)が運賃計算の基準とする同心円状のエリア区分です。中心部をZone 1とし、番号が大きいほど郊外へ広がり、現在はZone 1〜9が設定されています。一般に数字が小さいほど都心に近い=交通利便性が高い傾向にあり、物件価格や賃料水準に影響を及ぼします。たとえばZone 1・2の駅近は通勤利便性・需要の厚みからプレミアムが付きやすく、賃料も堅調。一方、Zone 5以降は価格が抑えられる反面、広さや緑地環境を評価するファミリー需要が見込めるケースがあります。もっとも、評価は「Zone番号」単独ではなく**、Zone × 駅距離 × 路線力 × 再開発計画の掛け合わせで行うのが投資家視点では合理的です。
以上を踏まえ、次章では都心を構成するZone 1の主要エリアについて、需給構造・価格帯・将来計画を織り交ぜながら具体的に見ていきます。
2.Zone1内エリアの特徴

■White City

駅周辺には新築物件が立ち並び、ヨーロッパ最大級のショッピングセンターWestfieldがある活気のある街です。現地の人々だけではなく、日本人も増えている人気上昇中の再開発エリアです。
売買価格相場 | £ 400,000 ~ £ 3,000,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 2,500 ~ £ 5,000 |
表面利回り | 4% ~ 5% |
■Ealing/Acton

West Actonは、日本人学校や幼稚園があるロンドン一の日本人コミュニティがある閑静な住宅街です。隣のEaling Broadway駅周辺はお店やレストランが立ち並びとても賑やかな一方、公園や緑も多く、お子様連れのご家族に人気のエリアです。
売買価格相場 | £ 450,000 ~ £ 1,500,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 1,500 ~ £ 4,500 |
表面利回り | 3.5% ~ 4.5% |
■Kensington・Chelsea

周辺にはビッグベンやバッキンガム宮殿等があり、観光客も多い一日中活気のあるエリアです。単身やカップルの方に人気のエリアです。
売買価格相場 | £ 300,000 ~ £ 9,000,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 1,500 ~ £ 6,500 |
表面利回り | 1.5% ~ 2.5% |
■Westminster

駅周辺には新築物件が立ち並び、ヨーロッパ最大級のショッピングセンターWestfieldがある活気のある街です。現地の人々だけではなく、日本人も増えている人気上昇中の再開発エリアです。
売買価格相場 | £ 500,000 ~ £ 20,000,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 2,500 ~ £ 7,000 |
表面利回り | 2% ~ 3% |
■City/Aldgate

日系企業も多く集まる金融街、バンク周辺に通勤する現地の若い人達に人気のエリアです。新築物件が増え、日本人の単身やカップルにも人気のエリアです。
売買価格相場 | £ 400,000 ~ £ 4,500,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 2,500 ~ £ 5,500 |
表面利回り | 2.5% ~ 3.5% |
■Canary Wharf

新築物件が立ち並ぶ、ウォーターフロントの再開発エリア。駅周辺には金融高層ビルが立ち並び、新金融街エリアとも呼ばれ、レストランやパブなども充実です。
売買価格相場 | £ 400,000 ~ £ 2,000,000(Studio~3BR) |
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賃料相場 | £ 2,000 ~ £ 5,500 |
表面利回り | 3.5% ~ 4.5% |
3.最新価格推移と市場動向

上記は物件種別ごとの不動産売買価格の推移を表したものです。2020年のパンデミックで一時的に価格が下落したものの、2021年以降ロンドンの不動産価格は回復基調に入りました。2023年から2025年にかけても上昇を続けており、特に高級住宅エリアと教育機関周辺エリアは強い需要に支えられています。オフプラン物件や再開発エリアも人気を集め、投資家が集中しています。ロンドン市場は短期的には為替や金利の影響を受けやすいものの、中長期的には成長が期待できる市場であるといえます。
◆用語解説◆
Detached house(独立戸建)
隣家と壁を共有しない一戸建て。庭・駐車スペース付きが多く、自由度は高い一方で価格は高めで表面利回りは抑えめ。立地はZone 3〜6に厚く(例:Richmond、Barnet、Bromley、Harrow など)、都心アクセスは新線・急行の有無で体感が大きく変わる。
Terraced house(連棟住宅)
両側の住戸と**共有壁(party walls)**を持つ細長い住宅。ヴィクトリアン/エドワーディアン期の在庫が豊富で、Zone 1〜3に広く分布(例:Islington、Camden、Hackney、Fulham、Shepherd’s Bush/Acton(2–3))。価格が相対的に抑えやすく、実需+投資どちらにも需要が厚い。端区画(End-of-terrace)は採光・通路面で小さなプレミアム。
Flats(集合住宅/マンション)
1棟のblock of flatsの中の各住戸。駅近×設備(コンシェルジュ・ジム等)で賃貸需要と流動性を取りやすいが、service charge等の維持費は精査必須。集中はZone 1〜2の都心コア(Westminster、City、South Bank ほか)と、Zone 2〜3の再開発ハブ(**Canary Wharf(2)、Stratford(2/3)、White City(2)、Ealing/Acton(2–3)、Nine Elms(1/2)**など)。※駅によりゾーンは異なる場合あり。

4. ロンドン不動産投資のメリット
透明性の高い取引制度です。弁護士を介した取引が義務付けられており、不正やトラブルのリスクが低減されています。次に賃貸需要の強さです。教育都市・金融都市という性質から、短期・長期を問わず賃貸需要が底堅い点は他都市にはない強みです。さらに、イギリスでは年金制度が十分ではないことから、国民が早くから自らの資産形成に取り組む文化が根付いています。その中でも不動産購入は最も一般的な手段とされており、就職と同時に住宅ローンを組むケースも少なくありません。このような背景が、不動産の流通量の多さや市場の活発さにつながっており、投資家にとって魅力的な投資機会を生み出しています。
5.投資プロセスと購入の流れ
ロンドンで不動産を購入する際の流れは以下の通りです。
1. エリア選定と物件調査
2. 弁護士を通じて売買契約を締結
3. 手付金(通常10%前後)の支払い
4. 物件登記と残金決済
5. 管理会社と契約し賃貸運用開始
現金でのご購入の場合、申込から決済まで約4か月かかります。英国では弁護士を介した透明な取引が義務化されており、外国人投資家でもスムーズに手続きを進めることができます。
6. ロンドン不動産投資のリスク
メリットの一方で、ロンドン不動産投資にはリスクも存在します。まず、物件価格が世界的に見ても高額であるため、初期投資負担が大きくなります。次に、管理コストや修繕費も高額であり、ランニングコストを正確に見積もることが重要です。また、為替リスクも無視できません。円高局面では収益が目減りする可能性があります。さらに、英国の金融政策(金利上昇)は住宅ローン金利や賃貸需要に直結し、市場に影響を及ぼします。こうしたリスクを認識した上で、戦略的に投資を進める必要があります。
7. 日本人投資家が注意すべき点
日本人投資家がロンドンで不動産投資を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
- 遠隔管理:物件管理を現地に委託する場合、信頼できる管理会社を選定することが重要です。
- 金利変動:英国の政策金利が上昇すると住宅ローンコストが増加し、収益性に影響します。
ロンドン不動産投資を成功させるためには、長期的な視点と綿密なリスク管理が欠かせません。短期転売を狙う場合は再開発エリア、長期安定収入を狙う場合は教育・金融エリア、高級住宅は資産保全を重視する投資家に適しています。信頼できる現地パートナーや弁護士、管理会社と連携し、法制度と税制を理解したうえで投資を進めることが最も重要です。
8. さいごに
STARTS LONDON LIMITEDではロンドン不動産投資に関する情報を随時ご提供しております。また、ご購入プロセスのサポートはもちろん、保有中の物件管理や賃貸募集から、売却までも丁寧にサポートしております。国内本社から赴任する赴任者が、現地にいて得られる情報や時勢のリスクなども併せてご説明いたします。また弊社国際事業本部では国内での情報提供も行っておりますので、少しでも関心がございましたら是非一度お問合せください。
