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海外不動産通信:2026年シンガポール進出・赴任ガイド【日星国交60周年の最新動向と賃貸借契約の実務リスク】
Asia・Oceania
目次
- シンガポールが「地図上の小さな点」を超えて愛される理由
- シンガポールの最近のニュースとスターツシンガポールについて
- 2026年最新の開発・日系企業進出動向
- シンガポールの交通状況と人気エリアについて
- 近年の家賃相場推移
- 実務比較:日本とシンガポールの賃貸契約
シンガポールが「地図上の小さな点」を超えて愛される理由
東京23区ほどの面積しかないシンガポールが、なぜこれほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。
その背景には、2000年代から続く政府の「攻め」の移民政策があります。特に「治安の良さ」と「税負担の軽さ」の双方が機能している点は、国際的な評価を不動のものにしています。
国際シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が2007年から毎年発表を行っている世界平和指数ではアジア第1位。(日本は第3位) と優れた安全性が実証されています。
所得税は最大24%、さらに住民税・相続税・贈与税はゼロ。日本の所得税・住民税を合わせた最高税率が約55%であることを考えると、その差は歴然です。
この「住みやすさ」と「ビジネスのしやすさ」の両立こそが、アジアの富裕層やプロフェッショナルたちがこの島を目指す最大の理由です。
年中25〜32℃という南国特有の気候も、その魅力を後押ししています。特に3月からの乾季は、真っ青な空の下でゴルフやサイクリングを楽しめる最高のシーズン。四季がないからこそ、一年中お気に入りの夏服で過ごせる——そんなシンプルで身軽なライフスタイルが、多くの移住者に愛されています。
https://www.weather.gov.sg/climate-climate-of-singapore/
経済平和研究所 (IEP)公式HP
https://www.economicsandpeace.org/global-peace-index/
国土面積は約730k㎡。東京23区(約628k㎡)をひと回り大きくした程度です。 この限られた土地を、政府が綿密な都市計画でパズルのように組み上げてきました。 車で1時間も走れば国を横断できてしまうコンパクトさが、ビジネスの圧倒的なスピード感を生んでいます。
そんな小さな島に住むのは、約590万人の人々。人口密度は世界第2位を誇ります。 「窮屈そう」と思われるかもしれませんが、現地に立つと印象は正反対。高層ビルと豊かな緑が共生する「シティ・イン・ア・ガーデン(庭園の中の都市)」の設計により、不思議と開放感に満ちたモダンな風景が広がっています。
中華系(74%)、マレー系(13%)、インド系(9%)といった多民族が共生するこの国では、ランチタイムのホーカー(屋台)で隣同士が全く異なる文化の食事を囲むのが日常。互いの宗教や慣習を尊重し合う文化があるからこそ、この高密度の中でも世界トップクラスの治安が保たれています。
https://www.jetro.go.jp/world/asia/sg/basic_01.html
日本とシンガポールの歴史・スターツシンガポールについて
シンガポールと日本が国交を樹立したのは、独立翌年の1966年。それから月日が流れ、ついに今年2026年は国交樹立60周年(SJ60)という大きな節目を迎えました。
この記念すべき2026年の3月18日、高市早苗首相と訪日したローレンス・ウォン首相は首脳会談を行い、両国関係を「戦略的パートナーシップ」へと格上げすることで合意しました。この影響で両国の絆はさらなる高みへと引き上げられました かつては「経済成長を支え合う関係」でしたが、今や対等な立場で互いの成長を牽引し合う、「アジアにおける最重要パートナー」へと進化を遂げました。
スターツがこのシンガポールの地に拠点を構えたのは、2010年9月です。それから約16年、私たちはこの国のダイナミックな変遷を、不動産という最前線の現場で見守り続けてきました。
住まいからビジネスの基盤まで、トータルで支える 私たちの役割は、単に「物件を紹介すること」だけではありません。
① 不動産仲介(住宅・オフィス・店舗・倉庫・工場)
シンガポールでの新生活を支える快適な住まい探しはもちろん、ビジネスの要となるオフィスや店舗、さらには物流の拠点となる倉庫や工場まで。お客様の挑戦の「舞台」となるあらゆる物件をご提案しています。
② 法人向けコンサルティング
「シンガポールでビジネスを始めたい」という想いを形にするため、会社設立に関わる各種専門業者のご紹介から、そのマネジメントまでを幅広くサポート。異国の地での最初の一歩を、ワンストップで支えるパートナーでありたいと考えています。
住宅探しからビジネス拠点の構築まで、少しでも検討されている方は、ぜひお気軽に弊社までご連絡ください。
2026年最新の開発・日系企業進出動向
現在のシンガポールは、単なる維持管理のフェーズではなく、次の10年、20年の国家成長を決定づける大規模なインフラ投資の最中にあります。その象徴であり、今後のさらなる経済活性化を牽引するのが以下2つの巨大プロジェクトです。
①チャンギ空港・第5ターミナル(T5)新設
未来の航空需要を見据え、2030年代の稼働に向けて建設が進む第5ターミナルは、これ単体で「もう一つの巨大空港」を作るほどの圧倒的なスケールを誇ります。完成すれば、空港全体の年間旅客処理能力は現在の9,000万人から1億4,000万人へと増加。アジア最大のハブ空港としての地位を不動のものにし、ヒト・モノ・投資をさらに呼び込む物流・ビジネスの超巨大インフラとなります。
なお、この国家的一大プロジェクトには日本のゼネコンも深く関わっています。大林組がターミナルビルの基礎および地下部分の主要工事を、五洋建設が各ターミナルを結ぶ連絡トンネル工事をそれぞれ受注しており、日本の高度な土木技術がシンガポールの未来の基盤を支えています。
https://www.changiairport.com/en/corporate/about-us/future-developments/terminal-5.html
②マリーナベイ・サンズ「4棟目(第4タワー)」の拡張計画
シンガポールの象徴であるマリーナベイ・サンズに、総額約80億米ドル(約1兆円以上)を投じて独立した「4棟目の超高級タワー(IR2)」を建設するプロジェクトが本格始動しています(2030年竣工予定)。全室スイートのホテルに加え、最先端の「スカイループ(空中庭園)」、さらには世界的な大物アーティストのコンサートを誘致できる1万5,000席規模のアリーナや、最先端のMICE(国際会議・展示会)施設が新設されます。
https://jp.marinabaysands.com/expo-and-convention.html
これら2つのメガプロジェクトは、世界中の富裕層、観光客に大きなメリットとなり、シンガポール経済を次のステージへ引き上げるとして、今もっとも期待を集めています。都市全体の魅力がさらに高まることで、周辺の不動産マーケットやオフィス需要、駐在員の居住エリアの選定にも、今後長期にわたって極めてポジティブな影響を与えるかと考えられます。
シンガポールの交通状況と人気エリアについて
前述の通り、シンガポールの国土は非常にコンパクト。東西の端から端まで、電車(MRT)に揺られても約80分、車なら40分ほどで移動できてしまう距離感です。
この狭い国土で交通渋滞を防ぐため、政府は「車の所有」に対してかなり高いハードル(高額な権利金制度など)を設けています。その代わり、電車やバスといった公共交通機関の網羅ぶりは目を見張るものがあります。
そのため、ビジネスパーソンから学生まで、ほとんどの人がMRTやバスを駆使して通勤・通学するのがシンガポールの日常。どこへ行くにも計画が立てやすく、移動のストレスが少ないのも、この国で駐在員として働く大きなメリットの一つだと感じます。
下記地図に駐在員様に人気のエリアについて記載しておりますが、 その中でも特におすすめの3か所についてご紹介いたします。
https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en/getting_around/public_transport/rail_network.html
①サマセット(Somerset)
〜オーチャードの利便性と、落ち着いた居住空間の共存〜
オーチャードの隣駅でありながら、少し路地に入ると静かな住宅街や洒落たカフェが顔を出すのがサマセットの魅力です。若者に人気のモール「313@Somerset」がある一方で、エメラルド・ヒルなどの歴史を感じさせる美しい街並みも残っています。
こんな方に:便利な中心地に住みたいけれど、夜は静かに過ごしたい。そんな方に人気です。
間取り別の月額家賃相場(2026年5月時点目安)は以下です。 SGD=シンガポールドル
| 1ベッドルーム | SGD 約 4,600 〜 6,000 | 約53万〜69万円 |
|---|---|---|
| 2ベッドルーム | SGD 約 4,800 〜 14,000 | 約55万〜161万円 |
| 3ベッドルーム | SGD 約 8,500 〜 17,200 | 約98万〜198万円 |
②オーチャード(Orchard)
〜世界中の憧れが集まる、シンガポールの「顔」〜
シンガポール最大のショッピングベルトとして知られるオーチャードは、利便性がとてもいいです。高層コンドミニアムのすぐ足元に、高島屋や日系スーパー(明治屋やドンキ(DON DON DONKI)など)
こんな方に: 都会の真ん中でアクティブに暮らしを楽しみたい方、初めての駐在で「まずは便利な場所から」と考える方に最適です。
間取り別の月額家賃相場(2026年5月時点目安)は以下です。 SGD=シンガポールドル
| 1ベッドルーム | SGD 約4,000 ~ 6,000 | 約49万円 ~ 74万円 |
|---|---|---|
| 2ベッドルーム | SGD 約6,500 ~ 14,000 | 約80万円 ~ 171万円 |
| 3ベッドルーム | SGD 約11,200 ~ 17,200 | 約137万円 ~ 211万円 |
③タンジョン・パガー(Tanjong Pagar)
金融街(CBD)に隣接し、まさに「戦うビジネスパーソンの拠点」といえるエリアです。
最新のタワーマンションのすぐ横には、1階が飲食店、2階以上が住居やオフィスになっているショップハウスが建ち並び、近代的な都市機能と歴史的な街並みが美しく融合した景観を作り出しています。
こんな方に:仕事に全力投球したい赴任者様、仕事帰りに美味しい日本食を食べて帰れる安心感を重視する方にぴったりです。
間取り別の月額家賃相場(2026年5月時点目安)は以下です。 SGD=シンガポールドル
| 1ベッドルーム | SGD約4,500~7,000 | 約55万~86万円 |
|---|---|---|
| 2ベッドルーム | SGD 約6,500~11,000 | 約80万~135万円 |
| 3ベッドルーム | SGD約9,500~18,000 | 約117万~220万円以上 |
もちろん弊社では、これら中心地だけでなく、通園・通学に便利なファミリー層に根強い人気を誇るエリアや、あえて日本人の少ないローカルなエリアなど、お客様の多様なライフスタイルに合わせた最適なご提案が可能です。
単身のご赴任からご家族での移住まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。
近年の家賃相場推移
現地メディアでは「家賃相場の下落」が広く報道されているものの、赴任者を派遣する日系企業の人事・総務部門においては、「相場が軟化しているにもかかわらず、数年前の予算枠では物件の契約が極めて困難である」という実務上の課題に直面されています。
このギャップが生じる背景を紐解くため、過去5年間(2021年〜2026年)における「現地賃料(シンガポールドル建て)」と「為替レート(日本円)」の推移を検証します。以下に、日本人単身赴任者に最も需要の高い「1BED(1LDK相当)」物件の市場データを提示いたします
| 項目 | 5年前 (2021年) |
現在 (2026年) |
5年間 の変化 |
|---|---|---|---|
| 平均家賃 (SGDベース) |
S$ 2,800~ 3,300 | S$ 3,600~ 4,200 | 約 25~30%の上昇 |
| 為替レート (1SGDあたり) |
約 80 円 | 約 125 円 | 約 55% の円安進行 |
| 日本円換算 実際の負担 |
約 22万 ~26万円 | 約 45万 ~52万円 | 【約 2倍】に高騰 |
現在のシンガポール不動産マーケットは、一時期の「異常な家賃高騰(2022〜2023年)」を脱しています。ここ1〜2年で新築物件が大量に完成し、供給過多になったことから、現地通貨(SGD)ベースの家賃はピーク時から10〜15%ほど値下がりし、いわゆる「借り手市場」へシフトしました。その為、オーナー側も空室を恐れ、以前より柔軟な条件交渉に応じてくれるようになっています。
しかし、日本から進出する企業や赴任者にとって、最大の障壁となっているのが「歴史的な円安の進行」です。
5年前の2021年当時、為替は「1ドル=約80円」でした。それが2026年現在、世界的な金利差などを背景に「1ドル=125円前後」で推移しています。
この結果、現地での家賃がピークアウトして下がったとしても、日本円に換算した実際のコストは、5年前の「約2倍(20万円台→45万〜50万円オーバー)」という高値で止まってしまっているのです。
現地通貨(SGD)ベースでの賃料下落に伴う「交渉の好機」であると同時に、日本円換算での負担増という、一見矛盾するような現在のマーケットだからこそ、これからの物件選定には従来以上に合理的な判断と戦略的なアプローチが求められます。
以前のような「予算重視で中心地の一等地を選ぶ」という画一的なアプローチから脱却し、利便性を維持しながらも、中心地から地下鉄(MRT)で2〜3駅ほど外れた周辺エリア(RCR等)に視野を広げるといった柔軟な選択が、企業・個人双方のコスト最適化における極めて有効な防衛策となります。
https://www.ura.gov.sg/Corporate
三菱UFUFJ外国為替相場一覧表 https://www.bk.mufg.jp/ippan/kinri/list_j/kinri/kawase.html
実務比較:日本とシンガポールの賃貸契約
シンガポールでの物件選定において、最も留意すべきは「日本との契約慣行の違い」です。日本の借地借家法が「借主(借りている側)を守る」性質が強いのに対し、シンガポールでは「契約書に書かれた文面がすべてであり、貸主側の権利が非常に強い」という明確な違いがあります。
日本の常識にあるような「これくらい普通は大家さんが直してくれるだろう」「事情を話せば大目に見てくれるだろう」という曖昧さは通用しません。
日本の常識のまま契約に臨むと、退去時の違約金発生や、入居中の修繕費用を巡る深刻なトラブルに発展しかねません。以下に、実務上極めて重要な相違点をご紹介いたします。
初期費用におけるメリット:シンプルかつ低負担な設計
シンガポールの家賃水準自体は高値で推移しているものの、初期費用の構成に関しては日本よりも借主側にメリットがあります。
日本特有の「礼金」や「鍵交換費用」といった返金されない費用はなく、基本的に必要なのは保証金(Security Deposit:家賃の1〜2ヶ月分)と初月の賃料のみです。
さらに、日本では一般的な保証会社への加入義務はありません。また、火災保険についても建物全体の保険はオーナー(貸主)側が加入しているため、借主への強制加入義務はなく、非常にシンプルな費用負担で入居が可能です。万が一の建物被害への備えは家主側で担保されているためご安心ください(※ご自身の荷物を守るための「家財保険」については、任意でご加入いただけます)。
また、多くの物件が「家具家電付き(Fully Furnished)」であり、コンドミニアムであれば敷地内のジムやプールを無料で利用できるなど、赴任直後からスムーズに新生活をスタートできる環境が整っています。
一方で、運用面においては貸主有利な内容が多く存在するため、特に以下の2点には細心の注意が必要です。
注意点1:エアコン清掃費(借主の契約上の義務)
高温多湿なシンガポールにおいて、エアコンは通年で使用する不可欠な設備です。稼働率が高く故障リスクを伴うことから、シンガポールの契約では「約3ヶ月に1回、専門業者による定期清掃を行うこと」が借主の契約上の義務として課されるのが一般的です。
このメンテナンスを怠った状態でエアコンが故障した場合、修理費用が全額借主負担となるケースがあるため、入居後の確実な維持管理が求められます。
注意点2:中途解約の原則禁止と「外交官条項(駐在員特約)」
シンガポールの物件契約は「2年間」が一般的ですが、原則として期間中の駐在員側からの「中途解約」は認められません。 いかなる理由であれ、中途解約時には残期間の賃料全額に相当する違約金が発生するのが基本原則です。
ただし、多くの外資系企業が進出している背景から、契約書内に「外交官条項(Diplomatic Clause)」と呼ばれる特約を組み込むことが可能です。
これにより、急な国外転勤や帰国命令が下った際、一定期間の入居(一般的には12ヶ月以上)を条件に、ペナルティなしで中途解約を行う権利を確保できます。
このように、海外での不動産賃貸借契約においては、シンガポールに限らず日本の常識が通用しないケースが多々ございます。契約書の内容がすべてとなる契約社会だからこそ、弊社では現地の基本ルールや最新の市場動向を徹底的に把握し、お客様が抱える潜在的なリスクを事前に排除する体制を整えております。
本レターでご紹介した内容のほかにも、シンガポール特有の契約上の留意点は多岐にわたります。新規赴任に伴う住居選定やオフィス・店舗等の開設をご検討の際は、現地事情に精通したパートナーとして、実績豊富な弊社へお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
スターツコーポレーション株式会社
国際事業本部 本号担当者:森下
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